「言わなきゃわからないの?」から考える暗黙知

「なんで言わなきゃわからないの?」から考える暗黙知

「言わなきゃわからないの?」は言わなきゃ分からないことがほとんどです

仕事中、新人の子に「そこまで言わなきゃわからないの?」という言葉が投げかけられていました。本当に嫌な言葉ですよね。

「言わなきゃわからないの?」って言葉は、結局のところ、言った人または言った人が属する組織の暗黙知であることが多いんですよね。

なので、言われた側は全く分からず困ってしまう。

「そこまで言わなきゃわからないの?」と「暗黙知」の関係について、以前からもやもやと考えていました。
全然まとまってなくて恐縮なのですが、自分の考えを吐き出すことも兼ねて、書き留めていきたいと思います。

組織の暗黙知と形式知

組織の知識の変遷

業界や会社などの組織には文化があります。
社訓、企業風土、社内ルールなど…。文化は人が集まると自然に作られます。

通常、こうした文化は最初「形式知」として現れます。
社訓が張り出されたり、社内規則が告示されたり…
いずれにしても、目に見える形(文章・図表)で表現され、その上で仕事がなされます。

しかし、組織が活動していくと作業効率化のため「形式知」が「暗黙知」に変化していきます。

組織内の知識や技術が洗練されてくると、無駄をなくそうとして
「わざわざ言わなくても相手は分かる。」
「この場合は、こうすると決まっている。」
といったように知識が明示的に示されることがなくなり、組織内で「暗黙知」として共有されることになります。
もちろん全ての「形式知」が「暗黙知」に変化するわけではありませんが。

暗黙知の本質

「暗黙知」は、高度な信頼関係・コミュニケーション関係が構築された組織では非常に有用です。
誰もが何も言わなくとも、自分の役目を理解しており、滞りなく仕事を遂行する。理想的ですね。

ところが「暗黙知」には厄介な面があります。それは下記の点です。

  • 「暗黙知」ゆえに新人は認知出来ない。
  • 「暗黙知」は組織の「常識」になる。
  • 組織内の人達でさえ「暗黙知」を認知できなくなる場合がある。
    知識ではなく「雰囲気」や「空気」として扱われる。

新入社員・中途入社の人が「なぜ、このような行為をするのか。」と聞いたとしても
「社会人・業界人なら知ってて当たり前。」
「わざわざ口に出さなくても、誰でも知っている。」
と、にべもなく返されてしまった。なんてことになるのは、このためですね。

「暗黙知」のデメリット

「暗黙知」の学習コストはとてつもなく高い

組織に加入した新人は、当然組織内の文化など分かりません。
「ここはこう対応する。」「あれはこう対処する。」と、先輩に教えられながら、仕事を学習していきます。

このように「形式知」をもって、組織の文化・ルールを学習できるのであれば問題ありません。

しかし「暗黙知」を学習するのはとてつもなく面倒です。
「暗黙知」は問題も正解も提示されないので、凄まじい学習コストが必要となるためです。

「暗黙知」は組織の常識としても扱われます。
したがって、新人が先輩社員に仕事について聞いたとしても
「言わなきゃわからないの?」
「なんでそんな常識が分からないんだ!」
などの言葉が返され、怒られてまう、といった現象がおこります。

このような状況下で、新人は組織内の見えないルールを見よう見まねで覚えていくしかありません。
正解も提示されませんので、合っているのか間違っているのかの判断も出来ず、仕事中は常に失敗に怯え、ビクビクする羽目になります。

反対に先輩社員は、他の社員は分かっているのに、なぜこの程度の常識が分からないのか。新人の能力が低いのでは。と疑い出します。

このようにして、両者の溝が深まっていくのですね。


さて、重要なのは新人が悪いとか、先輩社員が悪いとかの話ではありません。
組織の「形式知」から「暗黙知」への変化はごく自然な現象だということです。

人が集まり組織が出来て、活動すれば自然とこうなります。
現象自体に善悪はありません。

組織内の暗黙知を知ろう

こういった「暗黙知」から生じる組織内の不和を解消するには、組織内の「暗黙知」を洗い出すことが大切です。

そして、洗い出した「暗黙知」を、新人の知識とすり合わせ、差分をなくしていくのです。

言うなれば、新人と先輩社員の「情報の非対称性」を解消してくのです。

新人とは、さながら異文化にホームステイした外国人のような存在なのです
言葉も通じない外国人と考えて接するぐらいが、実はちょうど良いのです。

まずは新人の知っていること・知らないことを話してもらいます。
そして、知らないことに関しては、1から丁寧に教えていく。
決して知らないことを詰ったり、責めたりしてはいけません。
組織の「暗黙知」なんて、知らないのが当たり前なのですから。
「知らないこと」を「知っていて当たり前だ!」と言われれば、新人は困惑し、先輩に恐怖を覚えます。

何も知らない新人を受け入れ、その上で知識を教える。
時間がかかりますが、これが最も効率的な手段です。

頭ごなしに「言わなきゃわからないの?」という言葉を投げかけるなんて、もってのほかです。

まとめ

全体的に支離滅裂な文章ですみません…。無理やりこの記事をまとめるこんな感じでしょうか。

この記事のまとめ
・組織には文化があり、「暗黙知」と「形式知」のどちらかの形態をとる
・「暗黙知」は「形式知」に変わっていく。これはごくごく自然なこと。
・新人と先輩でお互いに情報を出し合って、情報の非対称性をなくそう。
・仕事の学習コストを下げるのもまた仕事である。「暗黙知」を洗い出そう。

とりあえず書きたいことはすべて書いたので良しとしますか←

実は、私も「言わなきゃわからないの?」という言葉を使っていた過去があります。
現在は反省しています。本当に申し訳ないことをしました。

これからしっかりとした先輩になっていくために、仕事だけでなく、仕事論や組織論等も学んでいきます。