思い出補正とのつき合い方

思い出補正との付き合い方

思い出補正って?

みなさんも下記のような言葉を聞いたことがあると思います。

「全く、最近の若いものは…」
「昔はよかったものだ…」
「前は苦労したものだ。それに比べて今の人は…」

このように、過去の出来事を過度に美化(または矮小化)して、事実からかけ離れた認識をすることを、俗に「思い出補正」と言います。

思い出は大なり小なり美化されるものですが、度が過ぎると、単なるマウント説教 & 自慢語りになってしまいます。

本記事では、そんな厄介な思い出補正とのつき合い方について書いていきます。

補正されない記憶はない

思い出補正について、まず前提として知っておくべきなのが

  • 補正されない記憶・情報はない
  • 出来事は単なる現象である。

この2つです。

補正されない記憶はない

基本的に、人間は自分の持つ記憶・情報に対して自分にとって都合の良いように & 自分の精神状態にダメージが入らないように補正をかけます。
この補正はどんなに小さな記憶・情報であってもかかります。

この記憶・情報に対する補正を、心理学では認知バイアスと言います。
詳しくはwikipediaの認知バイアスの記事を読んでみてください。

したがって、常日頃から自分が知った情報が

  • どのような補正フィルターを通しているか。
  • 記憶が事実と、どの程度かけ離れているか。

をしっかりと意識する必要があります。ただ、これがなかなか難しいのですが。

人間である以上、思い出補正から逃れることはできません。
なので、自分の思考のクセをあらかじめ知っておくことが大切です。

出来事は単なる現象である

ある出来事を「良い」と判断したり、「悪い」を判断することがありますが、この「良い」「悪い」の基準はあくまで、出来事を認知した人間の勝手な考え方であって、出来事自体に「良い」「悪い」はありません。

出来事はどこまで行っても、単なる現象でしかありません。
善も悪もなく、良い悪いもなく、ただただ”ある”のみです。

人の記憶は、出来事を”勝手に解釈”することで形作られていきます。
この”勝手に解釈されれること”が思い出補正です。

記憶が思い出補正にかかっているか否かを判断するためには、記憶を”起こった事実”と”事実に対する感情”の2つに分けて、認識することが大切です。

過度な思い出補正がおこらないようにするには

既に述べましたが、過度な思い出補正から逃れるためには下記の3点を実践すると良いでしょう。

  • 自分の補正フィルターを知ること
  • 記憶が事実と、どの程度かけ離れているか知ること
  • 記憶を”事実”と”感想”とに分けて考えること

人はどんなにあがいても、思い出補正から逃げることはできません。
しかし、これらを覚えておくと、補正の程度を和らげることができます。

私も説教臭いマウント上司にならないためにも、心に刻んでおかなければ!

思い出語り 自分語りする人間への対処法

さて、世の中には悪意は無いけれども、思い出補正の毒牙にかかった人達がやたら過去礼賛・自分語りをしてくることがあります。
こういった人達にはどのように対処すればよいのでしょうか。

私なりの考えですが

  • 話の”事実”と”感想”とを聞き分ける
  • “事実”以外は無視する

が妥当な方法なのではないか、と思います。

要は思い出補正がかかった話は話半分に聞くということです。
なんとも当たり障りのない対処法で申し訳ございません…m(_ _)m

まとめと余談

人は思い出補正から逃れることはできません。
である以上、思い出補正とはうまく付き合っていく必要があります。

強力な補正により、思い出にとらわれて過去に閉じこもってしまうのもダメですし、
失敗を過大評価して、挑戦しなくなってしまうのもダメですね。

しっかりと
自分の補正フィルターを知ること
記憶が事実と、どの程度かけ離れているか知ること
“事実”と”感想”とに分けて考えること
が大切です。

思い出補正にはメリットもあるよ

ここまで思い出補正を悪者のように記事を書いてきましたが、もちろん思い出補正にはメリットだってあります。

思い出補正はある意味では精神安定剤です。
精神にダメージが入らないように、常に脳内で記憶を見張っているのです。
思い出補正がなければ、何度も嫌な記憶を思い出して精神にダメージが入り、病んでしまうでしょう。
生きていくにも、つらい思い出だけではただ苦しいだけです。
人は忘れることで生きていけるでやんす!

思い出補正とは持ちつ持たれつ、うまく付き合うことが生きていく上で大切です。

余談

余談ですが、思い出補正の中で最も強力で厄介なものを紹介します。
それは「子供の頃の思い出」です。

子供の頃の思い出は、何度も何度も頭の中の思い出補正フィルターを通っているため、良くも悪くもかなりのハチャメチャな補正がかかっています。
最悪の場合、人の一生を左右するような思い出になることも少なくありません。

子供の頃の思い出補正には十分な注意が必要です。